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サバイバル!人はズルなしで生きられるのか  服部文祥著

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擬死ゲーム
フリークライミングでは下から上まで、一度も落ちずに登り切らなくては「登った」ことにはならない。一度でも落ちていれば、そこには必ず何らかの人工手段が介入しているからだ。カム・ディバイス、ボルト、ロープ、ハーケンが何もなかったと仮定した状態で、上にぬけられたときを完登というのである。
山、もしくは岩があってそこに人がいる。山(岩)を見た人が登ってみたいと思って取り付く。登り切る。これが登るという行為の当たり前な流れだ。
「高い」とは位置的に上方であることを示しているだけではない。「見えない・わからない」そして「(落ちたら)危ない」ということを象徴してもいる。「高いところ」という未知で危険なものを肉体的創造と発見で何とか超えていくのが、そもそもの「登る」という行為なのである。
もし万一の墜落を止めるための装備がなければ、失敗=墜落は死を意味している。フリークライミングはロープや支点を使うことで死を偽死に換えてきた。あるルートをはじめてのトライで完登することを、フリークライミングではオンサイトと呼び、最上級の価値をおいている。オンサイトトライの場合においても、ロープや確保具でクライマーの安全は保障されているわけだが、オンサイトに成功した場合、理論上はロープやカラビナなどがなくても、死なずに上まで抜けられたということになる。
オンサイトトライとは、理論上もしくは理屈上、本当に自分の力だけでそこを登れたかどうかを試す個人的な初登攀であり、命懸けゴッコということもできる。オンサイトができたら、知恵と勇気と肉体で登り切り、生き残ったということでもあり、逆に、墜落してロープにぶら下がったということは失敗して死んだということになる。フリークライミングとは体を使った擬死冒険ゲームなのである
←文中から引用

又この本の最後の方に、命を河に浮かぶ船に死を海に喩えている。
それ対して私は次のように感じた。
河の源流が命の誕生とするなら、生き物は死である海に向かって時には早く時にはゆっくり時には流れに逆らい、そして確実に海へとむかう。その時間はひとつとして同じものがない。
そして河の風情もひとつとして同じものがないだろう。そして誰ひとりとして海までの時間を知ることはできない。日本人男性の平均寿命から計れば私が海に流れつくまで二十年もない。
それまでの時間をできるだけ長く擬死ゲームを楽しめればと願う。
そして暖かい綺麗な海へ流れつきたいと願う。
タイのプラナンがええかな。

2011.02.10 | Comments(3) | Trackback(0) |

コメント

私も読みました~。

服部氏、いろんな意味で面白い人ですね。
「サバイバル登山家」に続いてこの本も読みましたが、とても衝撃を受けました。
何をするか、何ができるかは人それぞれにしても、「お客さん」でいることに何の疑問も感じないままでいる存在ではいたくないなと。

2011-02-11 金 08:13:34 | URL | にゃみにゃみ。 #B8xSsyyA [ 編集]

にゃみにゃみさん≫
ご無沙汰です。
確かに仰るとおりですね。
岩(山)と向き合った時の姿勢を少しは見習わねばと思うのですが…。

2011-02-11 金 15:26:58 | URL | マメオ #3k2uny7Q [ 編集]

河の源流が命の誕生とするなら、海に注ぐ河の流れは、荒々しい大海に若者を支えながらも送り出していく人の成長の過程だ。
大海に出た若者は己が力で大海を渡り、新しい命を産み落とすべく、心寄る島を求め、河の源流をまた探す。
その島が群れるような諸島で、安寧に身を落とすのか、未知なる島を求め新しい海に独り漕ぎ出すのか。
人の強さの違いの要は、冒険心と生存能力の違いなのか。

なんて、思いました。

2011-02-13 日 23:31:06 | URL | #- [ 編集]

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1951年1月3日生 ♂
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趣味:クライミング、家の掃除など
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