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マメオ

Author:マメオ
Mr ビーンズことマメオです。
1951年1月3日生 ♂
出生地:高知県内
現住所:神戸市内
家族:女房一人、息子二人、嫁二人、孫四人、その他昆虫、爬虫類等多数
趣味:クライミング、家の掃除など
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昨日に続き浅田次郎氏の「アイム・ファイン!」の中から『お先にどうぞ』を読んで、電車や地下鉄、バスの車内で物を飲み食いすることに不快に思うのは私の世代に於いてお門違いであるらしい。
少し長いですがエッセイの後半部分を紹介します。

このごろではビルのドアを開け閉めするにしても、みなさん後ろからやってくる人を気遣うようになった。中にはみずからの手でドアを開けたまま、「お先にどうぞ」とばかり後続の人々を導いてくれる殊勝な若者もいる。しかしこれはおそらく、わが国古来の謙譲の美徳とはさほど関わりがあるまい。多くの人々が外国旅行に出て、欧米のマナーを逆輸入した結果、奇しくも日本古来の謙譲の精神に一致する行為が復活した、と見るべきではあるまいか。そう考えると、ドアを開けるときに他人に気遣う同じ若者が、電車の中で他人の目を気にせず物を飲み食いするという矛盾も説明がつくのである。逆輸入された文化は冷静に選択しなければならない。日本の風土や社会にふさわしいかどうか、世界一の旅行国民であるわれわれは、おのおのが考えねばなるまい。
しかしさように説教を垂れたところで、実は団塊世代から高度経済成長世代に至るほぼ十年、すなわち昭和二十六年生まれの私を中心にした前後五年の世代こそ、日本史上に最たる「ロスト・ゼネレーション」なのである。おそらく他の世代から見れば、著しく道徳心に欠け、他者の立場を忖度(そんたく)せず、そのうえ闘争心だけは人一倍の、どうしようもない連中と映っているのではあるまいか。そもそも「ロスト・ゼネレーション」とは、ヘミングウェイを評したスタインの造語である。「失われた世代」と直訳してもわかりづらいが、要するに国家や社会に対する不信感や喪失感を抱き続け、ために一貫した思想性や主体性を持つことのできぬ世代、というほどの意味であろう。
ヘミングウェイを読めばナルホドであるが、わが身に照らしてみればさらにナルホドである。つまり正しくは、私たちの世代が「ロスト・ゼネレーション」と今さら評する三十代の世代は、正しくは「ロスト・ゼネレーション二世」であるということを、その元凶たる親たちが認めていない。
北京のバス停での騒擾(そうじょう)を眺めながら、私はまず幼いころに体験したラッシュアワーを思い起こし、やがて自分が「ロスト・ゼネレーション」の一員であることに気付いた。そもそも思想性や主体性の欠落したわれわれの世代が、社会を主導する時代がやってきたことになる。
いやはや大変な世の中になるであろうことは想像に難くないが、おそらくこのピンチを乗りきる力は、若者たちが逆輸入してくれた「お先にどうぞ」の精神ではあるまいか。
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