fc2ブログ
西日本の中国地方や近畿地方に大きな被害をもたらした台風12号でしたが皆さま御変り御座いませんか?


8月初めに小川山のマラ岩東面の「ブルースパワー 5.11c」NP&Bを登っていたクライマーが3本目のボルトにクイックドローをセットしてカンテの方にラインを求めていき、ボルトより50cm程度左上した地点でムーブにつまった。当事者より「テンション」とコールがあり、ビレーヤーがロープの弛みを取り除いた後に、「テンション」を掛けたところ、クイックドローからロープが外れ、地上に落下した。

そのクライマー(男性 35才)は後日病院で亡くなられた。

改めてご冥福をお祈りいたします。

その後の検証で下記の事が判明している
1. 逆クリップはなかった。
2. クイックドローのカラビナの開口部は上下とも左側 。
3. 2本目と3本目のボルトの間にカムディバイスをセットし、ロープをクリップして登ったが、3本目のボルトにクイックドローをセットしてロープをクリップした後、カムディバイスを取り外していた。

↑↑
【おがわやまだより】から引用しました。

上記の事故のようにヌンチャクに関連した事故が毎年のように起こっている。
原因はマチマチだ。

最近私は岩場でお会いするクライマーの所持するヌンチャクに注意を払って見ているが多くのクライマーが手を加えている。
下の写真はヌンチャク本来の姿です。
003_20110905201800.jpg
私の使っているヌンチャクです。
ストレートゲートのカラビナはプロテクション側に
ベントゲートのカラビナはロープ側にスリングにストリングを付けカラビナを固定して使っています。

次の写真は岩場で見かけたヌンチャクに手を加えた物を再現しました。
006_20110905202058.jpg
左:プロテクション側のカラビナをストリングで固定している。
中:プロテクション側のカラビナをテーピングテープ(ビニールテープ等)で固定している。
右:プロテクション側のカラビナをゴム等で固定している。

このようにされているクライマーを見かけたことはありませんか?

これは間違っています。

カラビナを固定するのはロープ側だけでプロテクション側はフリーでなければいけません。
004_20110905203539.jpg
↑↑プロテクション側はカラビナが自由に動く状態でなければいけません。
005_20110905203546.jpg
↑↑ロープ側はストリングで固定します。

理由の一つが【PETZL 2011 ツールとテクニック】に書かれています。
IMG_0003_20110905203950.jpg

IMG_0004_20110905204903.jpg
ロープ側をフリーにしないのはロープを通した後にクライマーが登って行くに従って伸びて行くロープに釣られてカラビナだけが動き横方向等にならないようにするためです。
カラビナの強度は縦方向(ゲートは閉じている)で23kN、横方向(ゲートは閉じている)だと10kNと1/2以下になる。(PETZL SPIRITの強度)
なのでカラビナが動かないようにストリングで固定します。

プロテクション側を固定すれば伸びるロープと共にヌンチャクが動き時によってはカラビナがプロテクションの上に乗り外れる事があります。
2010.11.11蝙蝠谷 009
過去にこれが原因で事故が多く起こっています。

私が岩場でヌンチャクのカラビナの両方を固定したクライマー数人に、何故両方固定しているのですか?と聞いたところ誰一人明確な答えが返ってこなかった。
ただ『人がしているから』というのが一番多かった。

もし両方を固定されている方はプロテクション側をフリーにされることを強くお勧めします。

尚プロテクション側をフリーにしていてもプロテクションが設置されている壁の形状等でカラビナが動き破断したりプロテクションの上に乗って外れる事があります。
ただ固定しているより固定していない方がそのようになる確率は遥かに少ないのは確かです。

それともう一点【ヌンチャクのカラビナのプロテクション側とロープ側はごちゃ混ぜにして使わないようにして下さい】
ロープの痛みが早いと共に破断の原因にもなります。

PS
小川山「ブルースパワー」での事故とこの記事で書いたカラビナの固定については全く関連はありません。
Secret

TrackBackURL
→http://climber319.blog89.fc2.com/tb.php/1511-38b57e21